ヒューマンインタフェースシンポジウム2017に参加してきました(2)。

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大阪工業大学,ヒューマンインタフェースシンポジウム2017

2017年9月4日~7日まで開催された「ヒューマンインタフェースシンポジウム2017」(大阪工業大学・梅田キャンパス)の研究発表のご紹介です。

・「分散オフィスにおける作業者の割り込み拒否度共有画面に対する閲覧行動の分析」
まず作業中の「割り込み拒否度」という尺度に、たいへん興味を持ちました。
働き方改革が叫ばれるなか、作業者の集中度を維持する必要性も認識されておりますが、電話や声掛けなどで作業が中断されることが多々あります。
ソフトウェア開発の場合、長時間、座ったままの姿勢で画面を見続け、頭のなかでプログラムの流れやバグ原因・修正方法などを考えながら、プログラミング作業を続けています。非常に集中しているときに、他者からの割り込みが発生することで、作業能率が悪くなってしまうこともあるのではないか、と考えています。
本発表では分散された場所で各メンバーが作業をしている場合、それぞれの作業状況を画面上で相互に閲覧できる状態にあるのですが、「他人」よりも「自分自身」を注視する回数が最も多いという実験結果を発表されました。
被験者からは「自分を注視することで、作業内容を振り返ることができる」という主観評価もあったということで、今後の展開がとても楽しみです。

 

・「単調作業の疲労に対する能動的運動の休息効果」
限られた時間のなかで、効率の良い休息方法のひとつとして、「アクティブレスト(能動的な運動による休息)」があるそうです。少し早歩きの状態でのウォーキングも良いそうです。
本研究では、精神疲労の原因として考えられている、①緊張、②対人関係、③単調作業のなかから、個人差の影響が少なく、被験者に対して同一のストレスを負荷できるものとして、「③単調作業」を取り上げています。
ソフトウェア開発では肉体的疲労よりも精神疲労の方が多いと思いますので、アクティブレストの取り組みは有効なのではないか、と思いました。
Googleなどの大手IT企業では、オフィス内に卓球台やバランスボールなどがありますが、これらもアクティブレストによるリフレッシュ効果を狙っているのかもしれませんね。

 

・「生体感情推定手法によるレコメンドシステム」
ポスター発表でのデモ実演で、最も驚いた発表でした。私の「興奮」と「驚き」の状態が具体的な数値情報として可視化されたのです。しばらくすると、「落ち着き」の状態が増えてきました。
これは、ラッセルの円環モデルを用いて生体情報から感情を推定するシステムであり、具体的には脈拍計(指に装着)と簡易脳波計を使用します。私自身、脳波計を装着するのは初めてであったため、操作に不慣れな分、「興奮」や「驚き」の数値が表示されたのかな、と思いました。
今後、さまざまな手法を用いて「ヒトの感情(気持ち)」を把握し、それらを教育や医療、商品開発、マーケティングなど、さまざまな分野に応用する時代が、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。

 

【まとめ】
全体を通して、視覚や聴覚などの五感を用いた研究、心電図(心拍・脈波)や脳波計などを用いた研究が多かったように思います。
また、航空管制業務や鉄道運転業務に関する研究では、自動化(機械化)よりも、レジリエンス(重大な事故・現象が発生した際の復旧・回復力)を重視している点がとても印象的でした。身近な日常生活においては、近年、異常気象や人身事故による列車運行の混乱が多くなっている感じがします。その際、相互乗り入れや過密ダイヤ、コンピュータ制御、マニュアル化などにより、「人手による緊急対応が遅い」と利用者やマスコミから批判されるケースもあります。今後、人工知能技術の発達によってコンピュータ化が進展するなか、「緊急・危機発生時の対応力」がますます困難かつ重要になってくるものと感じました。

ヒトと社会の関係性をさまざまな観点から再考することができました。
発表者ならびに学会関係者の皆様に改めて御礼申し上げます。

補足:来年度は、2018年9月5日(水)~7日(金)の日程で、筑波大学(茨城県つくば市)で開催されます。

(参加者:坂口憲一)

 

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